日本人は、西洋人と比べて前歯が大きくて分厚い人が多いと言われています。
私もその中の1人で大きくて分厚い前歯がすごくコンプレックスです。
私の前歯は『シャベル型前歯』といって、歯の裏側の両サイドが盛り上がり中央が凹んだ形状をしています。
そのためかなり分厚くて丈夫なのですが、大きくて厚みがあるせいで前歯2本が他の歯に比べてかなり目立っています。
やはり日本人は、私のように前歯が大きくてコンプレックスを抱えている人はとても多いようです。
特に前歯は歯の中で一番目立つ位置にあり、笑ったときに必ず見える歯なので前歯2本が極端に大きすぎると他の歯とのバランスが悪く見えてしまいます。
自分の前歯が大きくて気にしている人は、「前歯を小さくして目立たなくしたい!」と思いますよね。
前歯ってどのくらい削れるのでしょうか?また、矯正治療が必要なのでしょうか?
ここでは、大きい前歯を小さくする方法についてまとめていきたいと思います。
前歯ってどのくらい削れるの?
前歯が大きい人にとって、一番気になるのは前歯がどのくらい削れるかですよね。
結論からいうと前歯を削ることは十分に可能です。
しかし、前歯を削れる部分は限られており、歯の表面にある最も硬いエナメル質の範囲内で削る必要があります。
人それぞれ前歯の厚みが違うのでエナメル質の部分に多少の差はでますが、エナメル質の0.5mmから1mm程度なら削ることができると言われているようです。
大きい前歯を小さくする方法とは?
私のように前歯が大きくて分厚いと歯列矯正をしても思うような歯並びにならないことがあります。
これは、私も実際に経験したうえで感じていることです。
「歯列矯正で歯並びは綺麗にしたけど前歯2本がでかくて目立つ」
「前歯が分厚いから前歯の厚みの分だけ出っ歯ぎみになった」
といった問題がでてきたりすることもあるようで、前歯の悩みは結構深刻なのです。
大きい前歯を小さくする解決策は2つあります。
1.歯を削る
2.神経を抜いて被せ物をする
この2つです。いずれにしても大きな歯を小さくするには歯を削る必要があります。
この2つの違いは、『歯をどのくらい削るのか』ということになります。
歯を削る
歯を削るといったも歯の構成上、削ることができる範囲にはやはり限界があります。
エナメル質は神経がないのでエナメル質の部分を削るのであれば問題はありませんが、エナメル質のすぐ内側にある象牙質が露出してしまうくらいまで削ってしまうと歯がしみて知覚過敏といった症状を引き起こしてしまい、歯の表面がざらついてエナメル質の光沢感もなくなってしまいます。
前歯を削ることは可能だが、歯の形を変えるほど削ることはできない。
ということです。
また、”矯正治療をせずに歯を小さく削りたい”という人も多いようですが、エナメル質の範囲内で削れるだけ前歯を削ったことで歯と歯の間に隙間ができた場合は、歯列矯正をする必要がでてきます。
前歯の形を少しだけ削り整える程度で、歯間に隙間ができないようであれば歯列矯正をする必要がない場合もあります。
神経を抜いて被せ物をする
もうひとつの解決策は、神経を抜いて被せ物(差し歯)をすることです。
1本の値段は種類によって約5万円~20万円程です。
差し歯をするメリットは、神経を抜いて前歯を小さく削って差し歯をするので、元々がかなり大きめの前歯で、エナメル質の範囲内で少しだけ削っても前歯の大きさの問題が解決しない場合にでも”前歯を小さくできる”ということ。
また、歯の白さの段階も選ぶことができます。
セラミックを被せる治療法は、短期間で歯並びを綺麗にすることができるので芸能人にはとても人気があります。
最近では、若い芸能人の方もセラミックにしている人は非常に多いです。しかし、差し歯はあまりお勧めできない歯科医師の方は多いようで、健康な歯の神経を抜き小さく削ることはリスクが伴います。
差し歯は、一生モノではないので、
- 欠けてしまったらまたお金がかかる
- メンテナンスも必要
- 技工士や歯科医師の技術力がないと仕上がりが不自然になることもある
などといったデメリットがあります。
「前歯を削って差し歯にしたい。」と考えている人はとても多いようですが、歯を小さく削って差し歯にしたことで不自然な前歯になってしまい、後悔をしている人も結構多いようです。
私の個人的な意見ですが、永久歯はもう一生生えてこないものなので、安易に差し歯にするのは避けた方がいいかと思います。
歯科医師や技工士の技術力で仕上がりが大きく左右されるので、自分でよく考えて、信頼のできる歯科医師に相談のもと適切な対応をとってもらうことが大切です。
歯列矯正や差し歯は必要なのか?
前歯の大きさを小さく削ることで歯列矯正や差し歯の必要はでてくるのかについてご説明します。
結論から言うと、歯を削った部分の大きさによっては“歯列矯正”や“差し歯”の必要はあります。
歯列矯正
削った部分が少なくて削ることで歯列になんの問題も生じないのであれば、歯列矯正はしなくていいのですが、歯を削ることで歯と歯の間に隙間ができれば、部分矯正や全体矯正をする必要がでてきます。
理由は、歯間に隙間ができてしまうと、食べかすや歯垢(プラーク)が溜りやすくなるので、虫歯になるリスクを高めてしまうからです。
部分矯正とは?
部分矯正は、奥歯の噛み合わせを変えずに前歯の歯列の並びだけを治すことができるので、前歯を削ったことで、歯と歯の間にに少しだけ隙間ができてしまった場合などに有効です。
部分矯正は、表側矯正だけではなく、マウスピース矯正や裏側矯正でもすることができます。全体矯正に比べて治療期間も短くて済み費用も抑えることができます。
※前歯が大きいせいで歯並びも悪くなっている場合は、全体矯正をして前歯を奥に引っ込めることで前歯の大きさを目立たなくすることもできる可能性があります。
差し歯
歯の大きさを極端に小さくするためには神経をとる治療が必要です。
その理由は、エナメル質の範囲内で削れる部分を削っても極端に歯の大きさを変えることができず、象牙質が露出するくらいまで削ってしまうと歯にしみてしまうからです。
しかし、神経をとってしまうと歯が死んだ状態になるので、歯の色が黒く変色してしまいます。
歯の漂白も有効ではあるのかもしれませんが、何度も行ってしまうと歯が弱くなって根元までかけてしまうこともあります。
歯の根元がなくなれば根元から抜歯をしないといけないので、差し歯ではなくてインプラントでの治療が必要になってきます。
ですので、神経をとったのであれば歯の根元が丈夫なうちに差し歯にしておいた方がいい場合もあります。
歯の漂白とは?
神経をとってしまうと前歯はもろくなってしまい、数年も経てば歯の色も黒く変色してしまいます。
ウォーキングブリーチといった神経を抜いた歯に行うホワイトニングなどで歯の漂白をすれば一時的には歯を白くすることもできますが、漂白を何度もすると歯が弱くなってしまいます。
インプラントとは?
インプラントとは、歯の根がない場合にフィクスチャー(ネジ)を歯茎に埋め込んで土台を作ってから人工の歯を被せる治療法です。
さいごに
「健康な歯を削ることは良くない!!」という歯科医師は多いようですが、エナメル質の削れる範囲内で削っても何の問題も生じない場合は、審美的に歯を削るのは私的にはありだと思います。
前歯の形態修正を少しだけしてもらうだけでも前歯の印象が変わることもあります。
私も角ばった前歯の角を丸みをおびた形に少しだけ削ってもらったことがありますが、「これだけでも少しは変わるんだな~!!」と感じました。
歯を削ることに対して”虫歯になりやすい”といったデメリットばかりを考えがちですが、審美的なメリットも考えながら適切な対応をしていもらいましょう。
歯を削ることは高度な治療法ですので、取り返しのつかないことにならないように技術力と経験をしっかり持った信頼のできる歯科医師に治療をしてもらうことが大切です。