部分矯正とは、言葉の通り気になるところだけ部分的に治療をして歯並びを治すことです。
全体的な奥歯の噛み合わせを変えず、前歯の歯列を並べることだけで歯並びの問題が解決する場合であれば、部分矯正で治療ををすることが可能です。
治療法としては、前歯4本~6本に矯正装置を装着して前歯の一部だけを綺麗にしていきます。
口腔内の状態によっては、歯を少し削って歯列を並べるスペースを作ったりすることもあるようです。
前歯の悩みを抱えている人は多く、「前歯だけ綺麗にしたい。」「高額な治療費は払えない。」「部分的に矯正治療をしたい。」と思っている方はとても多いようです。
前歯の悩みとは?
「部分矯正をしたい!!」と考えている人のほとんどが前歯だけの部分矯正のようです。
全体的に歯並びはいいけど、前歯だけ何かしら問題があり、部分的に綺麗にしたいと考えているようです。
前歯は歯の中で1番目立つ位置にあり、様々なトラブルを引き起こしてしまいがちな歯といえます。
前歯の悩みを抱えている人で多い意見をまとめてみました。
- 前歯が大きい
- 前歯が小さい
- 歯の間に隙間がある(すきっぱ)
- 前歯がでている(出っ歯)
- 前歯の向きが斜めに生えている
- 前歯が虫歯になって色が変色してきた
- 前歯の差し歯が不自然
形状の悩みや、生え方の悩み、歯列の悩み、歯の向きの悩み、虫歯や差し歯の悩みなど、前歯の様々な悩みを抱えている人が多いようですね。
部分矯正の種類とは?
部分矯正ができる矯正治療法は3種類あります。
- 表側矯正
- 裏側(舌側)矯正
- マウスピース矯正(インビザライン)
表側矯正は、全体矯正と同じように「金属のメタルブラケット」と「プラスチックのセラミックブラケット」を選ぶことができます。
インビザラインは、基本的に上下とも矯正治療をしていくので、部分矯正することができないのですが、「インビザライン・ライト」や「インビザラインi7」というものがあり、上の歯並びだけでも治療を行えます。
部分矯正の治療期間とは?
部分矯正の治療期間は、約半年~1年以内で治療が完了することが多いようです。
歯並びが軽度の場合は、3か月で治療が完了することもあります。
また、インビザラインはクリンチェックで歯がどのように動くかのシミュレーションを見ることができ、マウスピースの数も治療計画の段階で決められるのでより正確な治療期間がわかります。
しかし、取り外しが可能なマウスピースで治療していくので、装着時間をしっかり守れないと計画通りに治療を進めることができず治療期間が延びることもあります。
部分矯正の金額はどのくらい安いの?
部分矯正をしたい理由で一番に多いのが、「歯列矯正をしたいけど、お金がないから部分的に矯正をしたい!!」このような意見です。
確かに、歯列矯正にかかる費用はかなり高いです。
その中でも高額な”裏側(舌側矯正)”となると150万円程かかってしまうこともあります。
前歯だけの問題であれば、前歯だけ治療をして安く済ませたいと思うのは当然のことですよね。部分矯正は、全体矯正の3分の1程度の金額で治療をすることができます。
矯正治療は、保険適用外ですので保険の点数がありません。そのため、歯科医院が好きな金額に設定できるようになっています。
他の医院と比べて相場くらいの金額に設定しているところがほとんどではありますが、歯科医院によって金額は異なり、一律ではないので、大体○○万円~○○万円と表しています。
表側矯正
表側矯正の部分矯正は比較的安いようです。歯の表側につけるブラケットによって装置料がかかります。
メタルブラケットは装置料0円なのですが、白くて透明なセラミックブラケットにするのであれば約5万円ほど追加料金がかかるそうです。
全体矯正の金額の相場:70万円~90万円
部分矯正の金額の相場:15万円~55万円
※ちなみに、私が表側矯正でセラミックブラケットにした時は追加料金が約2万円でした。歯科医院によって装置料の金額は異なるようです。
裏側(舌側)矯正
裏側矯正は矯正治療の中でも一番高額な費用がかかります。
そのため、裏側矯正の部分矯正でも治療費が高くなってしまいます。
全体矯正の金額の相場:約100万円~150万円
部分矯正の金額の相場:約50万円~60万円
マウスピース矯正(インビザライン)
軽度の歯並びの凸凹やすきっ歯やなどは、「インビザライン・ライト」、「インビザラインi7」というもので部分矯正をすることができます。
通常のインビザラインとは違ってマウスピース数や治療期間に制限があるのですが、低価格で治療を行えるので、気になる部分だけを治したい人や後戻りが気になる人に適しています。
全体矯正の金額の相場:約70万円~90万円(インビザライン)
部分矯正の金額の相場:約20万円~40万円(インビザライン・ライト、i7)
※ちなみに私が今通っている歯医者でのインビザラインの部分矯正の金額は、片顎で31万円かかるみたいでした。
セラミック矯正(差し歯)
前歯だけ差し歯にすることもできます。保険適用外の差し歯の種類はいくつかあるのですが、前歯の矯正治療でよく使用されているのは”オールセラミック”です。
差し歯の中で最も審美的に美しく、天然の歯と見た目が変わらないくらい自然な仕上がりです。差し歯の場合は治療をする歯の本数で金額が変わってきます。
オールセラミック1本の金額:約10万円~20万円
部分矯正が可能な症例とは?
部分矯正は、奥歯の噛み合わせは変えず、前歯だけの歯列を並べるだけで問題が解決するようであれば行うことができて、顎の成長が終わっている成人の方のみ治療が可能です。
具体的にどのような症例だと部分矯正ができるのでしょうか?
- 前歯のでこぼこが軽度
- すきっ歯である
- 矯正治療後に後戻りした
- 前歯の軽度な傾きやねじれ
いずれにしても歯並びの悪さが軽度の場合のみ有効のようです。
まとめ
部分矯正のメリットは、一般的な全体矯正とは違い、治療期間が短くて済み、治療にかかる金額も比較的安いです。
しかし、デメリットもあり、治療後の仕上がりは全体矯正と比べて劣ってしまうこともあるようです。
また、部分矯正ができる症例は限られているので、自分の歯並びが部分矯正できるかどうかの適切な判断をしてもらうことが大切です。